〜20210611 「インターネットの人」くどうれいん芥川賞候補ノミネートに寄せて

 

https://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/index.html

くどうれいん、芥川賞候補である。

群像に載ってんだからそういうこともあるだろうと理屈ではわかるんだけど、衝撃だった。

J/Gについてネットサーフィンしてたら見つけたはてなブログの人が、芥川賞候補だ。似たようにネットで知ったTofubeatsは知った時点で水星を出してたので、その後のブレイクもむべなるかな、驚きは少なかったことを考えるとこういう類の話では人生一の驚きかもしれない。

俺の中でのくどうれいんは「インターネットの人」だった。「インターネットの人」ってのを具体的に説明するのは面倒くさいので端折るけど、そういう人たちに常々思っているのは「消えてくれるな」ということである。

「インターネットの人」ってのはすぐ消える。J/Gがいい例だし、他にも誰にでも思い浮かぶだろう(読んでたホームページやブログやTwitterアカウントがいきなり消えたりしたことあるでしょう?)。大抵の場合、彼ら彼女らは消えた後も別の場所、別の名前でよろしくやってるのだとは思うけど、そんなことを一読者であるこっちには伝えてくれない。

くどうれいんに対する印象もそうだった。インターネットの人特有の、表現の強さといつか消えてしまいそうな儚さを感じていた。よくよく考えれば最近は顔出しもしていて文芸誌に連載があって地元で短歌や俳句をやっていて母校の文芸部とも繋がってるんだから、どこかの匿名アカウントとは違って消えようが無いはずだったけど、やっぱり出会ったブログのイメージが強かった。ブログ上での彼女もそれを美徳とする人々に連なろうという気配があった。(その気配はどうも間違いではなかったみたいだしhttps://rainkudo.com/%ef%bc%9cblog%ef%bc%9e%e6%b0%b4%e4%b8%ad%e3%81%a7%e5%8f%a3%e7%ac%9b%e3%81%8c%e9%87%8d%e7%89%88%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f/

 

でもここまで来たらもう消えることはないだろう。というか何が「インターネットの人」だ。あんだけ地に足つけて活動していてそんな呼ばれ方をされたら怒るだろうか。でもこの時代に公式サイトを開設し、そこにアクセスカウンターとブログを設置する彼女ならわかってくれるだろうか。

 

何にせよこれからも彼女の作品が世に出て、それが届くべきところにもそうではないところにも届いてしまう日々でありますように。

あと、気持ち悪い一読者の勝手な願いとしては、やっぱり匿名のブログをどこかでやっていてほしいな。